今日はキコの自己紹介をします。
キコは大学で人類文化学、倫理学の勉強をしました。卒論は生命倫理学がテーマでした。
その後、社会人一年目は塾講師。漠然とお金を稼いで資格をとりたいなと思って就職しました。このときは学生時代にボランティアで聴覚障害児と関わった際に言語聴覚士の仕事を知り、その専門学校に通っている友人もいたので言語聴覚士の資格もいいかなと思ってました。塾の仕事では、子どもたちとの関わりは楽しかったですが、終電ばかりのハードな職場で一年で退職しました。
次に法律事務所でパラリーガルとして勤務しました。これは法律事務の仕事です。
法律事務所では民事、特に自己破産、債務整理等のお仕事に関わることが多かったです。
ただやはり事務員。事務員としてですが沢山の人に出会い、いろんなお話を聞きました。
そんな中私も何か資格をとりたい。やっぱり自分で専門職として人の役に立つことがしたいと思うようになりました。
法律事務所で3年勤めた後、社会福祉士の専門学校に入り、資格をとりました。
当初は子どもの役に立ちたいと思い、児童分野が良いかなと思っていました。
資格取得後、半年間は役所の家庭児童相談員として働きましたが、非常勤でした。
非常勤ですが、虐待の通報ケースで夜中に呼び出されることもありました。
そんな中近くの急性期病院で医療ソーシャルワーカーの募集があり、同じ家庭児童相談員をやっていた方から正職員だから絶対いいよ!と勧められて受けてみることにして、就職することができました。
社会福祉士の資格を取る際に医療ソーシャルワーカーに絶対なりたい!実習も病院がいい!という人もいましたが、キコはそんな感じではなかったです。
ただ、大学で生命倫理学を学んでいたので、病院で勤務することにも魅力を感じました。
社会福祉士の資格を取る際に医療についても少しは勉強しましたが、社会福祉士が病院で働くことは勉強しなくてはならないことが非常に多いです。
この仕事に就いて、生死に関わることも多く、辛いことも悲しいことも沢山ありますし、さらには人間関係で悩むことも多いですが、すごく魅力的な仕事です。自分で言うのもなんですが、かっこいいと思ってます。ただ、医療ソーシャルワーカーという仕事をご存じない方もたくさんいらっしゃると思います。
病院の中で働く医師、看護師、薬剤師、リハビリ、医療事務…に比べると知名度としてはかなり低いですよね。
医療ソーシャルワーカー(メディカルソーシャルワーカー・)とは…
保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。
具体的には、
1. 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
2. 退院援助
3. 社会復帰援助
4. 受診・受療援助
5. 経済的問題の解決、調整援助
6. 地域活動
を行っています。
〔厚労省『医療ソーシャルワーカー業務指針』より〕
病院といっても様々な種類がありますが、キコは急性期病院で働いています。
仕事の中で1番多いのは退院支援。
病気や怪我をきっかけに寝たきりになってしまったり、認知機能の低下があったり…
退院ができる状況になっても麻痺が残ってしまったり、退院後も医療処置が必要になったり…
そんな患者さんのために退院先の相談をし、その人らしく生活ができるよう、かつ安心、安全に過ごすことができるよう支援をしていきます。
自宅退院の希望があれば介護保険サービス等に繋ぎます。そして院内の他職種、院外のケアマネージャー、訪問看護師、往診医等の専門職と連携、相談、調整をしていきます。
また転院や施設入所の希望があれば、申し込みの相談、調整をしたりします。
退院支援だけでなく、身体障害者手帳、障害年金等の制度説明、また経済的に困っている方、身寄りがない方、虐待、DV等…様々な相談支援を行います。
キコが働いている病院は、この医療ソーシャルワーカーは片手で数えられるくらいの人数です。
大学病院や大きな病院ではもっと沢山の医療ソーシャルワーカーが働いているところもあると思います。逆に1人職場の病院も多いのではないでしょうか。
そして病院勤務は他の職業に比べて突発的なことも起こりやすいと思います。
救急外来に呼ばれたり、緊急の対応でお昼ご飯を食べられなかったり、トイレさえ行けない…そんな日もあります。
ちなみにキコの勤務先の病院では残業時間が1、2を争うくらいの多い部署となっています。
そして患者家族の思い、院内や院外、さまざまな板挟みにもなりやすい職種だと思います。
休んではいませんが、体調不良や家庭のことを考え、キコは時短勤務を申請しました。
時短勤務は認められましたが、業務を減らす配慮はしてもらえず、当初は時短勤務で全く帰れませんでした。
やっと今年度に入り、時間外の仕事は出なくても良いと言われましたが、担当ケースの数は残業を沢山している同僚とほとんど変わらずかそれ以上のこともあります。
ただ自分なりに試行錯誤しながら最近は時短で帰ることができています。
仕事をかなり集中してやるのでクタクタにはなりますが、三児の母にとって夕方、早く帰れることは本当に大きいです。
今日は医療ソーシャルワーカーのことを少しでも知ってもらえたらと思い、ブログに書きました。奥深く、人生の大事な時間に関わらせていただく、だからこそ責任は重いですが、たくさんのことを学ばせていただいている、そんな仕事です。
改めて時短で帰る方法もこのブログでご紹介しようと思います。